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2007年2月15日 (木曜日)

第9回(6)

            9-6

渡された缶コーヒーを一口飲み込むと甘い味が口の中に広がった。
普段飲みなれている味は砂糖もミルクも入れないブラックっだったので、
ひさびさにのんだカフェオレ風味のコーヒーは恭子にとっては同じ系統の飲み物とは思えなかった。

長細い机の向こう側にはさっきから黙ったままの安藤朝奈が何もない机の上をじっと見ている。
(あの子が安藤の娘・・・・)
恭子はじっと朝奈を見た。

安藤の体内から摘出された『指』とほぼ同一の遺伝子をもつ人間・・・。

恭子は机の上で組まれた朝奈の手を確認したが朝奈の身体には不自由的なものは無かった。
(あの子はあの指の持ち主では無い・・・では一体・・・?)

 肩に麻十城の手が置かれたので恭子は自分の意識が飛んでいたことにようやく気付いた。
「あ、あぁ・・ごめんなさい。」
ハッとして話を聞いていなかった事を誤った。
麻十城はそのままもう1人の学生・・本条とまた話始めた。

「で、真田に確認してもらった結果、安藤修二から摘出されたものはほぼあいつの素なんだよ。」
「でも、どうしてそれが体の中に入ってるんだ?」
「それは分からない・・・普通なら考えられない所に有ったんだろ?」
麻十城は質問の上に質問を重ねて恭子へとバトンを渡した。
「そう、安藤修二には外科的手術後が無かった、ってことは物体を体内に入れるには口もしくは腸を通るしかない。
でもあの指があったのは、消化器系からは入れない部分、内臓と内臓の間に食い込むようにあった。
外部から入れた形跡が無いって事は産まれたときからある以外は考えられないの。」

 恭子は一気に言うとフーッと深呼吸をした。
「そして、その指は朝奈さん、貴方のDNAと酷似している。」

 下を向いていた朝奈が顔を上げたのでちょうど目が合った。
すぐに朝奈が視線を替えたことで一瞬の出来事だったが、朝奈は今にも、増してなにかに怯えている感じがした。
恭子もこれ以上朝奈に期待はできなかった。
「教えて欲しいのよ、何がどうなってるのか!」
そう叫ぶ様に言った相手は朝奈ではなく、本条と麻十城に向かってだった。

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» AV経験あり!叶晴栄さんの画像 [叶姉妹の妹晴栄とは(画像あり)]
晴栄さんは恭子の実妹で、三女の美香とともにかつては三姉妹としてファッション誌などに登場。しかし、叶姉妹は二人で活動することが決まった90年ごろから晴栄さんは成人向けビデオの女優として活躍、2000年に結婚を機に二人のマネージャーをするようになった。叶恭子、美香は実の姉妹ではないが、恭子と晴栄さんは実の姉妹の為、あまり事を大きくしたくないとのこと。 ⇒整形前の叶恭子 ... [続きを読む]

受信: 2007年2月15日 (木曜日) 午前 11時59分

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